留学先の国の特徴や留学情報をご紹介。
国ごとの違いを明確に知り、自分にあった留学先を見つけましょう。

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留学先国・地域:英国・サウサンプトン
留学期間:4年
学校名:サウサンプトン大学
専攻名:音楽
留学形態:大学院への進学(博士号取得)、日本の大学院在学中の留学(博士課程在学中)

Q. 留学をしようと思った動機を教えてください。

私は日本の大学院でヨーロッパ中世の音楽(特に理論と記譜法)を研究しており、研究者を目指していました。この分野で有名な先生がサウサンプトン大学にいらっしゃったので、その先生のもとで学び、音楽学の研究者として国際的に活躍できるスキルを磨きたかった、というのが主な留学の動機です。


Q. 留学先の国・地域、留学先校を選んだ理由を教えてください。

上述の通り、私がサウサンプトン大学を選んだ第一の理由は、私の研究分野で有名な先生が教鞭を執られていたからですが、それ以外にも、英語で書いた博士論文は世界中の研究者に読んでもらえること、英語での論文執筆・学会発表の訓練ができること、治安が比較的良いことも、英国で学びたいと思った理由です。


Q. 留学に対する家族の反応はどうでしたか?

両親は、留学が私のキャリアに必要だということを理解していたので、喜んでいました。一方で、今まで私が実家の外で一人暮らしをしたことがなかったので、とても心配していました。祖母には寂しいからそんなに遠いところに行かないでと泣かれ、日本と英国の地理的距離を恨めしく思いました。

Q. 留学の準備にはどのくらいの期間を要しましたか?留学を思い立ってから、実際に出発するまで、それぞれの準備段階にわけて教えてください。

2015年8月:英国留学を決意、留学先候補の入学条件や各種奨学金の応募要項を確認、IELTSで7.0が必要だと知る→2015年9月:初めてのIELTSを受ける、惨敗→2015年10月~2016年1月:日本の大学の博士後期課程1年次で必修の授業等で忙しかったため、英語の勉強を続けるも、留学準備は一時休止→2016年2月:英会話学校に通い始める→2016年9月:IELTSで6.5を達成も目標7.0に届かず→2017年3月:サウサンプトン大学の先生と日本でお会いし、入学方法をうかがう(この時点でほぼ内定)→2017年6月:IELTS7.0達成、入学願書を送る→2017年7月:オンラインの面接を受ける、合格→2017年9月:留学開始


Q. 留学情報の収集はどのように行っていましたか?使用したウェブサイト、雑誌、イベント、SNS(YouTube、Twitter等)などがあれば、あわせて教えてください。

博士課程の留学は指導教員となる先生が大事なので、自分の専門分野で有名な先生やその先生の所属する大学に直接メールで問い合わせました。『成功する留学イギリス・アイルランド留学(地球の歩き方)』や『留学ジャーナル』なども読みましたが、これらの書籍・雑誌は自身の留学先を決めるためというよりも、英語の勉強や英国留学準備のモチベーションを上げるために役立ちました。


Q. 語学学習はどのように行っていましたか?

IELTSはCambridge University Pressが出している公式問題集をひたすら解きました。また、スピーキングやライティングは、通っていた英会話学校の先生に添削していただきました。英会話学校の1レッスンは20分くらいでしたが、なるべく毎日通って英語を話す環境づくりをしました。スピーキングの練習では、英会話学校でも自宅でも、いつもボイスレコーダーに自身の音声を録音して、滑らかに話せているかを確認していました。


Q. 留学(斡旋)サービスなどは利用しましたか?

留学(斡旋)サービスは利用しませんでした。理由としては、すでに行きたい大学が決まっており、指導教員の先生から直接入学に必要な手続きを教えていただいたからです。


Q. 留学の資金調達はどのように行いましたか?利用した奨学金などがあれば、あわせて教えてください。

最初の一年分の学費や2017年9月から2018年3月までの生活費は自身の貯金から出しましたが、2018年4月以降は、野村財団やBCJA、JASSOの海外留学支援制度(大学院学位取得型)の奨学金をいただいて、学費と生活費をカバーしました。


Q. 入学や学生登録の手続き、ビザの手続きなどはどのように行いましたか?特に苦労したことや気を付けた方がいいことなどがあれば教えてください。

2017年7月に合格し、9月に入学と余裕のない日程でしたが、合格後すぐに大学側が英国の学生ビザの申請に必要なCASナンバーを発行してくれました。それからすぐにビザを申請して3週間以内に無事に取得できました。ビザの申請で必ず提出しなければならないのはCASナンバーとパスポートだけなのですが、より信頼してもらえるよう、additional documentsとして貯金が入った銀行口座の残高証明書の英訳、戸籍謄本の英訳、住民票の英訳も提出しました。これらの英訳は専門の業者の方にお願いしたので、できあがるまでに数日かかりました。入学手続きや学生登録は全てオンラインでできたので簡単でしたが、大学寮だけはなかなか決まらず、英国に立つ2週間くらい前にようやく大学側から住む部屋を通達されました。

Q. 留学中の学校生活はどうですか(どうでしたか)?海外の学校だからこそ苦労することや、逆に学校生活での楽しみなどを教えてください。

サウサンプトン大学音楽専攻の博士課程には必修授業がないので、大学の授業の思い出はほとんどありません。そのかわり、国際学会の発表準備や英語の論文の執筆に忙しく、指導教員の先生から論文や発表要旨の書き方、スライドの作り方、英語での話し方などを丁寧に教えていただきました。一番苦労したのは学会での英語での質疑応答ですが、国際学会に何度も参加するうちに、過度に緊張することはなくなりました。大学生活という大学生活は送れていませんが、音楽専攻の博士課程の学生が少ないため、その分繋がりが強く、皆仲良くしてくれました。


Q. 学校外の生活はいかがですか(いかがでしたか)?寮などでの生活や休日の過ごし方に加えて、街の治安などについても教えてください。

東京の大学に通っていた私としては、サウサンプトンはあまりにも田舎でお店もレストランも少なく、最初はどうやって楽しめばいいか分かりませんでした。ただ、空き時間はジムにいったり、公園や森を散歩したりと、大学の必修授業と留学準備で忙しかった日本ではできなかったことがサウサンプトンではできたと思います。街の治安は日本と比べるとあまり良くないですが、そもそもお店が閉まるのが午後5~7時なので、夜遅くまで外で遊ぶ、ということはそもそもありませんでした。


Q. アルバイトやインターンはしていますか(していましたか)? 

インターンはしていなかったですが、大学の試験監督のアルバイトをしていました。試験監督には、学生の筆記試験を監督する仕事と、音楽専攻の学生の実技試験を監督する仕事がありました。特に後者では、ステージのセットをしたり、演奏前に緊張する学生の精神的ケアをしたりと、舞台芸術・音楽マネージメントの勉強にもなりました。

Q. 留学を経験してみて感じたこと、学んだことはありますか?

留学期間を通して強く感じたのは、留学前・準備の方が大変で辛かった、ということです。留学前は大学の授業と語学の勉強に追われ、土日も英会話学校やIELTSの試験で、休む暇もありませんでした。しかし、留学後は基本的に自身の研究のみに集中すればよく、何事にもじっくり取り組めました。また、今までの英語の勉強は試験ありきでしたが、留学後は、純粋に自身のために英語を学ぶようになり、プレッシャーがなくなって、語学学習をより楽しむことができました。


Q. 留学後の進路について教えてください。

留学終了後は、日本学術振興会海外特別研究員として、引き続きサウサンプトン大学で研究を行っております。


Q. 最後にこれから留学をする方へのメッセージ・アドバイスをお願いします。

留学準備で重要なのは、資金(奨学金)の確保と語学だと思います。特に英国留学の場合、学費と家賃で莫大なお金がかかるので、お金の見通しのたたない留学はやめた方がいいと思います。また高い語学能力は、入学や留学先で暮らすためだけでなく、奨学金の応募にも必須となります。つまり、語学はお金の問題に直結しているので、必死にやるべきだと思います。

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)は、
文部科学省が所管する団体です。
学生支援を先導する中核機関として、「奨学金事業」
「留学生支援事業」および
「学生生活支援事業」を
総合的に実施し、
次世代の社会を担う豊かな
人間性を備えた創造的な人材を育成すると
ともに、
国際理解・交流の促進を図ることを目指しています。